A男と、B女が出産したCとの関係に関する次の記述のうち、民法の規定または判例に照らし、誤っているものはどれか。
1
AとBの内縁関係の継続中にBがCを出産し、AによってCを嫡出子とする出生届がなされた場合において、誤ってこれが受理されたときは、この届出により認知としての効力が生ずる。
2
Bは、Aとの内縁関係の継続中に懐胎し、その後、Aと適法に婚姻をし、婚姻成立後150日を経てCを出産した場合において、AがCとの間に父子関係が存在しないことを争うには、嫡出否認の訴えではなく、親子関係不存在確認の訴えによらなければならない。
3
Bは、Aと離婚した後250日を経てCを出産したが、Aは、離婚の1年以上前から刑務所に収容されていた場合において、Aは、Cとの父子関係を争うためには嫡出否認の訴えによらなければならない。
4
Aによる嫡出否認の訴えは、AがCの出生を知った時から1年以内に提起しなければならない。
5
Aが嫡出否認の訴えを提起する場合において、Cが幼少で意思能力を有せず、かつ、Bがすでに死亡しているときには、Cの未成年後見人がいるときであっても、家庭裁判所が選任した特別代理人を相手方とする。
解答
正解
2・3解説
1 〇
AとBの内縁関係の継続中にBがCを出産し、AによってCを嫡出子とする出生届がなされた場合において、誤ってこれが受理されたときは、この届出により認知としての効力が生ずる。
・ 嫡出でない子につき父がした嫡出子出生届又は非嫡出子出生届と認知の効力(最判昭和53年2月24日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和53年2月24日)
2 ×
Bは、Aとの内縁関係の継続中に懐胎し、その後、Aと適法に婚姻をし、婚姻成立後150日を経てCを出産した場合において、AがCとの間に父子関係が存在しないことを争うには、嫡出否認の訴え
・法改正によりCは「推定される嫡出子」に該当するようになった
3 ×
Bは、Aと離婚した後250日を経てCを出産したが、Aは、離婚の1年以上前から刑務所に収容されていた場合において、Aは、Cとの父子関係を争うためには
・ 婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子が嫡出の推定を受けないとされた事例(最判昭和44年5月29日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和44年5月29日)
4 〇
Aによる嫡出否認の訴えは、AがCの出生を知った時から3年以内に提起しなければならない。
※ 法改正により、「1年以内」を「3年以内」に変更、および文後半を削除
・民法 第七百七十七条
5 〇
Aが嫡出否認の訴えを提起する場合において、Cが幼少で意思能力を有せず、かつ、Bがすでに死亡しているときには、Cの未成年後見人がいるときであっても、家庭裁判所が選任した特別代理人を相手方とする。
・民法 第七百七十五条
■ 判例
・ 嫡出でない子につき父がした嫡出子出生届又は非嫡出子出生届と認知の効力(最判昭和53年2月24日)
「嫡出でない子につき、父から、これを嫡出子とする出生届がされ、又は嫡出でない子としての出生届がされた場合において、右各出生届が戸籍事務管掌者によつて受理されたときは、その各届は、認知届としての効力を有する」
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和53年2月24日)
・ 婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子が嫡出の推定を受けないとされた事例(最判昭和44年5月29日)
「離婚による婚姻解消後三〇〇日以内に出生した子であつても、母とその夫とが、離婚の届出に先だち約二年半以前から事実上の離婚をして別居し、まつたく交渉を絶つて、夫婦の実態が失われていた場合には、民法七七二条による嫡出の推定を受けないものと解すべきである」
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和44年5月29日)
■ 民法
(嫡出否認の訴え)
第七百七十五条 次の各号に掲げる否認権は、それぞれ当該各号に定める者に対する嫡出否認の訴えによって行う。
一 父の否認権 子又は親権を行う母
二 子の否認権 父
三 母の否認権 父
四 前夫の否認権 父及び子又は親権を行う母
2 前項第一号又は第四号に掲げる否認権を親権を行う母に対し行使しようとする場合において、親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。
(嫡出否認の訴えの出訴期間)
第七百七十七条 次の各号に掲げる否認権の行使に係る嫡出否認の訴えは、それぞれ当該各号に定める時から三年以内に提起しなければならない。
一 父の否認権 父が子の出生を知った時
二 子の否認権 その出生の時
三 母の否認権 子の出生の時
四 前夫の否認権 前夫が子の出生を知った時