養子縁組に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの組合せはどれか。
Aは、海外出張に出かけたが、帰国予定の日に帰国しないまま長期間が経過した。その間、家族としては関係者および関係機関に問い合わせ、可能な限りの捜索をしたが、生死不明のまま出張から10年以上が経過した。そこで、Aについて、Aの妻Bの請求に基づき家庭裁判所によって失踪宣告がなされた。Aの相続人としては、妻Bおよび子Cの2人がいる場合に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。
ア
BがAの出張前にAから誕生日に宝石をプレゼントされていたときは、Aの相続開始とされる時においてAが有していた財産の価額に、その宝石の価額を加えたものを相続財産とみなし、Bの相続分の中からその宝石の価額を控除した残額をもってBの相続分とする。
イ
Aの相続についての限定承認は、BとCが共同してのみ家庭裁判所に申述することができる。
ウ
Aの遺言が存在した場合に、その遺言の効力は、Aの生死が不明になった時から7年の期間が満了した時からその効力を生ずる。
エ
CがAの失踪宣告前にAの無権代理人としてA所有の土地および建物をDに売却した場合に、BがCと共同して追認をしないときでも、当該無権代理行為は有効となる。
オ
Aについて失踪宣告がなされた後にBはD男と婚姻したが、その後、失踪宣告が取り消された場合に、A・B間の婚姻とB・D間の婚姻は、戸籍の上では共に存在することになるが、両者の婚姻は、当然には無効とならず、共に重婚を理由として取り消し得るにすぎない。
1 ア・イ
2 ア・オ
3 イ・ウ
4 ウ・エ
5 エ・オ
正解
3解説
ア ×
BがAの出張前にAから誕生日に宝石をプレゼントされていたときは、Aの相続開始とされる時においてAが有していた財産の価額に、その宝石の価額を加えたものを相続財産とみなし、Bの相続分の中からその
・妥当な金額の誕生日プレゼントは相続財産に含まれない
イ 〇
Aの相続についての限定承認は、BとCが共同してのみ家庭裁判所に申述することができる。
・相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる(民法 第九百二十三条)
ウ 〇
Aの遺言が存在した場合に、その遺言の効力は、Aの生死が不明になった時から7年の期間が満了した時からその効力を生ずる。
・不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる(民法 第三十条)
・前条1項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、~死亡したものとみなす(民法 第三十一条)
・遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる(民法 第九百八十五条
エ ×
CがAの失踪宣告前にAの無権代理人としてA所有の土地および建物をDに売却した場合に、BがCと共同して追認をしないときでも、
・ 無権代理人が本人を共同相続した場合における無権代理行為の効力(最判平成5年1月21日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成5年1月21日)
オ ×
Aについて失踪宣告がなされた後にBはD男と婚姻したが、その後、失踪宣告が取り消された場合に、A・B間の婚姻とB・D間の婚姻は、戸籍の上では共に存在することになるが、両者の婚姻は、当然には無効とならず、
・BとDが、Aの失踪宣告が取り消されたことについて善意か悪意かで通説が異なる
■ 判例
・ 無権代理人が本人を共同相続した場合における無権代理行為の効力(最判平成5年1月21日)
「無権代理人が本人を共同相続した場合には、共同相続人全員が共同して無権代理行為を追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分においても、無権代理行為が当然に有効となるものではない。(反対意見がある。)」
(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成5年1月21日)
■ 民法
(失踪の宣告)
第三十条 不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪そうの宣告をすることができる。
2 戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止やんだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。
(失踪の宣告の効力)
第三十一条 前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了した時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。
(共同相続人の限定承認)
第九百二十三条 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。
(遺言の効力の発生時期)
第九百八十五条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。