土. 6月 6th, 2026

A、B、C、D、Eの5人が、各自で出資をして共同の事業を営むことを約して組合を設立した場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、正しいものはどれか。

1      
Aは、組合の常務について単独で行うことはできず、総組合員の過半数の賛成が必要であるから、Aのほか2人以上の組合員の賛成を得た上で行わなければならない。

2      
組合契約でA、B、Cの3人を業務執行者とした場合には、組合の業務の執行は、A、B、C全員の合意で決しなければならず、AとBだけの合意では決することはできない。

3      
組合契約で組合の存続期間を定めない場合に、Aは、やむを得ない事由があっても、組合に不利な時期に脱退することはできない。

4      
やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約がある場合に、Aは、適任者を推薦しない限り当該組合を脱退することはできない。

5      
組合財産に属する特定の不動産について、第三者が不法な保存登記をした場合に、Aは、単独で当該第三者に対して抹消登記請求をすることができる。

解答         

正解
解説
1 ×
Aは、組合の常務について単独で行うことはできず総組合員の過半数の賛成が必要であるからAのほか2人以上の組合員の賛成を得た上で行わなければならない

・組合の常務は、各組合員又は各業務執行者が、単独で行うことができる(民法六百七十条5項)

2 ×
組合契約でA、B、Cの3人を業務執行者とした場合には、組合の業務の執行は、A、B、C全員の合意で決しなければならず、AとBだけの合意では決することはできない

・組合の業務は、業務執行者の過半数をもって決定する(民法六百七十条3項)

3 ×
組合契約で組合の存続期間を定めない場合に、Aは、やむをえない事由があっても、組合に不利な時期に脱退することはできない

・やむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することができない(民法六百七十八条)

4 ×
やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約がある場合に、Aは、適任者を推薦しない限り当該組合を脱退することはできない

・やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約は、無効
やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定の効力 (最判平成11年2月23日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成11年2月23日)

5 〇
組合財産に属する特定の不動産について、第三者が不法な保存登記をした場合に、Aは、単独で当該第三者に対して抹消登記請求をすることができる。

・民法 第二百五十二条5項、第六百六十八条
組合財産共有の性質  (最判昭和33年7月22日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和33年7月22日)


■ 判例

やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定の効力 (最判平成11年2月23日)

「やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定は、無効である」

「民法678条は、組合員は、やむを得ない事由がある場合には、組合の存続期間の定めの有無にかかわらず、常に組合から任意に脱退することができる旨を規定しているものと解されるところ、同条のうち右の旨を規定する部分は、強行法規であり、これに反する組合契約における約定は効力を有しないものと解するのが相当である。けだし、やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約は、組合員の自由を著しく制限するものであり、公の秩序に反するものというべきだからである」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成11年2月23日)


組合財産共有の性質  (最判昭和33年7月22日)

「組合財産についても、民法第667条以下において特別の規定のなされていない限り、民法第249条以下の共有の規定が適用される。 二 組合員の一人は、単独で、組合財産である不動産につき登記簿上の所有名義者たる者に対して登記の抹消を求めることができる」

「不動産の共有権者の一人が、その持分に基き、当該不動産につき登記簿上所有名義者たるものに対して、その登記の抹消を求めることは、妨害排除の請求に外ならず、いわゆる保存行為に属するものというべきであるから」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和33年7月22日)


■ 民法

(共有物の管理)
第二百五十二条 共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。
2 裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。
 一 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
 二 共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしないとき。
3 前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
4 共有者は、前三項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(以下この項において「賃借権等」という。)であって、当該各号に定める期間を超えないものを設定することができる。
 一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等 十年
 二 前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等 五年
 三 建物の賃借権等 三年
 四 動産の賃借権等 六箇月
5 各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。

(組合財産の共有)
第六百六十八条 各組合員の出資その他の組合財産は、総組合員の共有に属する。

(業務の決定及び執行の方法)
第六百七十条 組合の業務は、組合員の過半数をもって決定し、各組合員がこれを執行する。
2 組合の業務の決定及び執行は、組合契約の定めるところにより、一人又は数人の組合員又は第三者に委任することができる。
3 前項の委任を受けた者(以下「業務執行者」という。)は、組合の業務を決定し、これを執行する。この場合において、業務執行者が数人あるときは、組合の業務は、業務執行者の過半数をもって決定し、各業務執行者がこれを執行する。
4 前項の規定にかかわらず、組合の業務については、総組合員の同意によって決定し、又は総組合員が執行することを妨げない。
5 組合の常務は、前各項の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の組合員又は業務執行者が異議を述べたときは、この限りでない。

(組合員の脱退)
第六百七十八条 組合契約で組合の存続期間を定めなかったとき、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきことを定めたときは、各組合員は、いつでも脱退することができる。ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することができない。
2 組合の存続期間を定めた場合であっても、各組合員は、やむを得ない事由があるときは、脱退することができる。

(清算人の職務及び権限並びに残余財産の分割方法)
第六百八十八条 清算人の職務は、次のとおりとする。
 一 現務の結了
 二 債権の取立て及び債務の弁済
 三 残余財産の引渡し
2 清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
3 残余財産は、各組合員の出資の価額に応じて分割する。

投稿者 Ren Yababa

邪抜刃 廉(やばば れん)a.k.a.フクイレン