月. 4月 27th, 2026

心裡留保および虚偽表示に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

1      
養子縁組につき、当事者の一方において真に養親子関係の設定を欲する意思がない場合であっても、相手方がその真意につき善意、無過失であり、縁組の届出手続が行われたときは、その養子縁組は有効である。

2      
財団法人(一般財団法人)の設立に際して、設立関係者全員の通謀に基づいて、出捐者が出捐の意思がないにもかかわらず一定の財産の出捐を仮装して虚偽の意思表示を行った場合であっても、法人設立のための当該行為は相手方のない単独行為であるから虚偽表示にあたらず、財団法人の設立の意思表示は有効である。

3      
土地の仮装譲渡において、仮装譲受人が同地上に建物を建設してその建物を他に賃貸した場合、建物賃借人において土地譲渡が虚偽表示によるものであることについて善意であるときは、土地の仮装譲渡人はその建物賃借人に対して、土地譲渡の無効を理由として建物からの退去および土地の明渡しを求めることができない。

4      
仮装の売買契約に基づく売買代金債権が他に譲渡された場合、債権の譲受人は第三者にあたらないため、譲受人は、譲受債権の発生原因が虚偽表示によるものであることについて善意であっても、買主に対して売買代金の支払を求めることができない。

5      
金銭消費貸借契約が仮装され、借主に金銭が交付されていない場合であっても、当該契約に基づく貸金債権を譲り受けた者は、譲受債権の発生原因が虚偽表示によるものであることについて善意であるときは、借主に対して貸金の返済を求めることができる。

解答         

正解
解説
判例「 養子縁組の無効と民法第93条但書

「養子関係の設定を欲する効果意思のないことによる養子縁組の無効は、絶対的のものであつて民法第93条但書の適用をまつてはじめて無効となるのではない。」

「真に養親子関係の設定を欲する効果意思がない場合においては、養子縁組は旧民法第851条第1号(新民法第802条第1号)によつて無効である。そして、この無効は絶対的なものであるから、所論のように原審が同第93条但書を適用する必要もなく、又適用したものでもない。」

( 最判昭和23年12月23日)


判例「 財団法人の設立を目的とする寄附行為と民法94条1項の規定の類推適用

「寄附行為の一環としてされた財産出捐行為が、財団法人設立関係者の通謀に基づいてされた虚偽仮装のものであるときは、民法94条1項の規定を類推適用して該寄附行為を無効とするのが相当である。」

( 最判昭和56年4月28日)


判例「 土地の仮装譲受人から右土地上の建物を賃借した者と民法94条2項所定の第三者

「土地の仮装譲受人からその建築にかかる右土地上の建物を賃借した者は、民法94条2項所定の第三者にはあたらない。」

「土地の仮装譲受人が右土地上に建物を建築してこれを他人に賃貸した場合、右建物賃借人は、仮装譲渡された土地については法律上の利害関係を有するものとは認められないから、民法94条2項所定の第三者にはあたらない」

( 最判昭和57年6月8日)


■ 民法
(虚偽表示)
第九十四条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
(縁組の無効)
第八百二条 縁組は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
 一 人違いその他の事由によって当事者間に縁組をする意思がないとき。
 二 当事者が縁組の届出をしないとき。ただし、その届出が第七百九十九条において準用する第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、縁組は、そのためにその効力を妨げられない。

投稿者 renyababa

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