司法権の限界に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らし、妥当でないものはどれか。
1
具体的な権利義務ないしは法律関係に関する紛争であっても、信仰対象の価値または教義に関する判断が前提問題となる場合には、法令の適用による解決には適さず、裁判所の審査は及ばない。
2
大学による単位授与行為(認定)は、純然たる大学内部の問題として大学の自律的判断にゆだねられるべきものであり、一般市民法秩序と直接の関係を有すると認めるにたる特段の事情がない限り、裁判所の審査は及ばない。
3
衆議院の解散は高度の政治性を伴う国家行為であって、その有効無効の判断は法的に不可能であるから、そもそも法律上の争訟の解決という司法権の埒外にあり、裁判所の審査は及ばない。
4
政党の結社としての自律性からすると、政党の党員に対する処分は原則として自律的運営にゆだねるべきであり、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的問題にとどまる限りは、裁判所の審査は及ばない。
5
地方議会議員の出席停止の懲罰は、議会の自律的な権能に基づいてされたものとして、議会に一定の裁量が認められるべきとはいえ、裁判所の審査は常に及ぶ。
解答
正解
3解説
・板まんだら事件 (最判昭和56年4月7日)・ 苫米地事件 (最判昭和35年6月8日)
・ 共産党袴田事件 (最判昭和63年12月20日)
・ 地方議会議員出席停止事件 (最大判令和2年11月25日)
・ 富山大学事件 (最判昭和52年3月15日)
「国公立大学における専攻科修了認定行為は、司法審査の対象になる。」
「専攻科に入学した学生は、大学所定の教育課程に従いこれを履修し専攻科を修了することによって、専攻科入学の目的を達することができるのであって、学生が専攻科修了の要件を充足したにもかかわらず大学が専攻科修了の認定をしないときは、学生は専攻科を修了することができず、専攻科入学の目的を達することができないのであるから、国公立の大学において右のように大学が専攻科修了の認定をしないことは、実質的にみて、一般市民としての学生の国公立大学の利用を拒否することにほかならないものというべく、その意味において、学生が一般市民として有する公の施設を利用する権利を侵害するものであると解するのが、相当である。」
(最判昭和52年3月15日)
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