土. 6月 6th, 2026

住所に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。争いがある場合には、最高裁判所の判例による。

*法改正により、「満20歳」は「満18歳」に変更

1      
日本国民たる年齢満18歳以上の者で引き続き一定期間以上市町村の区域内に住所を有するものは、その属する普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。

2      
日本国民たる普通地方公共団体の住民は、地方自治法の定めにより、条例の制定又は改廃を請求する権利を有するが、日本国籍を有しない者であっても、そこに住所を有していれば、こうした権利を有する。

3      
公職選挙法上の住所とは、各人の生活の本拠、すなわち、その人の生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指す。

4      
都市公園内に不法に設置されたテントを起居の場所としている場合、テントにおいて日常生活を営んでいる者は、テントの所在地に住所を有するということはできない。

5      
地方自治法に基づく住民訴訟は、当該地方公共団体内に住所を有する者のみが提起することができ、訴訟係属中に原告が当該地方公共団体内の住所を失えば、原告適格を失う。

解答         

正解
解説
1 〇
日本国民たる年齢満18歳以上の者で引き続き一定期間以上市町村の区域内に住所を有するものは、その属する普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。

・地方自治法 第十八条

2 ×
日本国民たる普通地方公共団体の住民は、地方自治法の定めにより、条例の制定又は改廃を請求する権利を有するが、日本国籍を有しない者であっても、そこに住所を有していれば、こうした権利を有する

・条例の制定・改廃の請求権は、都道府県や市町村の議員と長の選挙権を持つ者のみ(日本国籍のある住民)
・地方自治法 第七十四条

3 〇
公職選挙法上の住所とは、各人の生活の本拠、すなわち、その人の生活に最も関係の深い一般的生活、全生活の中心を指す。

公職選挙法第9条第2項の住所の意義 (最判昭和35年3月22日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和35年3月22日)

4 〇
都市公園内に不法に設置されたテントを起居の場所としている場合、テントにおいて日常生活を営んでいる者は、テントの所在地に住所を有するということはできない。

都市公園内に不法に設置されたテントを起居の場所としている者につき,同テントの所在地に住所を有するものとはいえないとされた事例 (最判平成20年10月3日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成20年10月3日)

5 〇
地方自治法に基づく住民訴訟は、当該地方公共団体に住所を有する者のみが提起することができ、訴訟係属中に原告が当該地方公共団体の住所を失えば、原告適格を失う。

普通地方公共団体の住民が,地方自治法242条の2に基づく訴えを提起した後,事実審の口頭弁論終結時までに当該普通地方公共団体から転出した場合の右訴えの適否 (大阪高判昭和59年1月25日)
(裁判所 裁判例結果詳細 大阪高判昭和59年1月25日)


■ 判例

公職選挙法第9条第2項の住所の意義 (最判昭和35年3月22日)

「公職選挙法第9条第2項の住所とは、その人の生活にもつとも関係の深い一般的生活、全生活の中心を指すものと解すべく、私生活面の住所、事業活動面の住所、政治活動面の住所等を分離して判断すべきものではない」

「公職選挙法及び地方自治法が住所を選挙権の要件としているのは、一定期間、一の地方公共団体の区域内に住所を持つ者に対し当該地方公共団体の政治に参与する権利を与えるため」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和35年3月22日)


都市公園内に不法に設置されたテントを起居の場所としている者につき,同テントの所在地に住所を有するものとはいえないとされた事例 (最判平成20年10月3日)

「Xが,都市公園法に違反して,都市公園内に不法に設置されたキャンプ用テントを起居の場所とし,公園施設である水道設備等を利用して日常生活を営んでいるなど原判示の事実関係の下においては,Xは,上記テントの所在地に住所を有するものとはいえない」

「上告人は,都市公園法に違反して,都市公園内に不法に設置されたキャンプ用テントを起居の場所とし,公園施設である水道設備等を利用して日常生活を営んでいることなど原審の適法に確定した事実関係の下においては,社会通念上,上記テントの所在地が客観的に生活の本拠としての実体を具備しているものと見ることはできない」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成20年10月3日)


普通地方公共団体の住民が,地方自治法242条の2に基づく訴えを提起した後,事実審の口頭弁論終結時までに当該普通地方公共団体から転出した場合の右訴えの適否 (大阪高判昭和59年1月25日)

「普通地方公共団体の住民が,地方自治法242条の2に基づく訴えを提起した後,事実審の口頭弁論終結時までに当該普通地方公共団体から転出した場合には,右訴えは,当事者適格を欠く者の訴えとして不適法となる」

「本件訴訟は地方自治法242条の2の規定に基づく住民訴訟であるから、控訴人らが芦屋市の住民であることを要件とするものであり、しかもその住民であることの要件は本件訴えの適法要件であるから事実審の口頭弁論終結時まで存在していることを要するものと解すべきである。しかして控訴人Aは昭和53年4月3日、同Bは昭和54年4月29日、同Cは昭和52年8月30日にそれぞれ芦屋市を転出し、いずれも昭和58年12月15日午後1時の本件口頭弁論終結時以前に芦屋市の住民ではなくなつていることは、控訴人らの自認するところであるから、右控訴人3名の本件訴えは当事者適格を欠く不適法のものというべきである。したがつて右控訴人3名の本件訴えはこれを却下すべきである」

(裁判所 裁判例結果詳細 大阪高判昭和59年1月25日)


■ 地方自治法

第十八条 日本国民たる年齢満十八年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有するものは、別に法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。

第七十四条 普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する者(以下この編において「選挙権を有する者」という。)は、政令で定めるところにより、その総数の五十分の一以上の者の連署をもつて、その代表者から、普通地方公共団体の長に対し、条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃の請求をすることができる。
2 前項の請求があつたときは、当該普通地方公共団体の長は、直ちに請求の要旨を公表しなければならない。
3 普通地方公共団体の長は、第一項の請求を受理した日から二十日以内に議会を招集し、意見を付けてこれを議会に付議し、その結果を同項の代表者(以下この条において「代表者」という。)に通知するとともに、これを公表しなければならない。
4 議会は、前項の規定により付議された事件の審議を行うに当たつては、政令で定めるところにより、代表者に意見を述べる機会を与えなければならない。
5 第一項の選挙権を有する者とは、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第二十二条第一項又は第三項の規定による選挙人名簿の登録が行われた日において選挙人名簿に登録されている者とし、その総数の五十分の一の数は、当該普通地方公共団体の選挙管理委員会において、その登録が行われた日後直ちに告示しなければならない。
6 選挙権を有する者のうち次に掲げるものは、代表者となり、又は代表者であることができない。
 一 公職選挙法第二十七条第一項又は第二項の規定により選挙人名簿にこれらの項の表示をされている者(都道府県に係る請求にあつては、同法第九条第三項の規定により当該都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有するものとされた者(同法第十一条第一項若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第二十八条の規定により選挙権を有しなくなつた旨の表示をされている者を除く。)を除く。)
 二 前項の選挙人名簿の登録が行われた日以後に公職選挙法第二十八条の規定により選挙人名簿から抹消された者
 三 第一項の請求に係る普通地方公共団体(当該普通地方公共団体が、都道府県である場合には当該都道府県の区域内の市町村並びに第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市(以下この号において「指定都市」という。)の区及び総合区を含み、指定都市である場合には当該市の区及び総合区を含む。)の選挙管理委員会の委員又は職員である者
7 第一項の場合において、当該地方公共団体の区域内で衆議院議員、参議院議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは長の選挙が行われることとなるときは、政令で定める期間、当該選挙が行われる区域内においては請求のための署名を求めることができない。
8 選挙権を有する者は、心身の故障その他の事由により条例の制定又は改廃の請求者の署名簿に署名することができないときは、その者の属する市町村の選挙権を有する者(代表者及び代表者の委任を受けて当該市町村の選挙権を有する者に対し当該署名簿に署名することを求める者を除く。)に委任して、自己の氏名(以下「請求者の氏名」という。)を当該署名簿に記載させることができる。この場合において、委任を受けた者による当該請求者の氏名の記載は、第一項の規定による請求者の署名とみなす。
9 前項の規定により委任を受けた者(以下「氏名代筆者」という。)が請求者の氏名を条例の制定又は改廃の請求者の署名簿に記載する場合には、氏名代筆者は、当該署名簿に氏名代筆者としての署名をしなければならない。

投稿者 Ren Yababa

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