次のア~エの記述は、木造建物建築工事についての発注者Aと受注者Bとの間で締結された請負契約の約定の一部である。このうち、約定の内容が、民法の規定の内容と異なるもの、または民法に規定されていないものの組合せとして妥当なものはどれか。
ア
Aの請負代金の支払いは、Bの本契約の目的物の引渡しと同時になされるものとする。
イ
Aは、本契約の目的物に契約内容に不適合があるときは、その補修(修補)に代え、または補修(修補)とともに、契約内容に不適合に基づく損害賠償をBに求めることができる。
ウ
工事の遅延が、不可抗力によるとき、または正当な理由があるときは、Bは、速やかにその事由を示して、Aに工期の延長を求めることができる。
エ
Bの責めに帰すことができない工事の遅延または中止があるときは、Bは、この契約を解除することができる。
1 ア・イ
2 ア・エ
3 イ・ウ
4 イ・エ
5 ウ・エ
解答
正解
5解説
ア 民法に規定されている
Aの請負代金の支払いは、Bの本契約の目的物の引渡しと同時になされるものとする。
・報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する(民法 第六百三十三条)
イ 民法に規定されている
Aは、本契約の目的物に契約内容に不適合があるときは、その補修(修補)に代え、または補修(修補)とともに、契約内容に不適合に基づく損害賠償をBに求めることができる。
・民法 第五百六十二条、第五百六十四条
ウ 民法に規定されていない
工事の遅延が、不可抗力によるとき、または正当な理由があるときは、Bは、速やかにその事由を示して、Aに工期の延長を求めることができる。
・中央建設業審議会の「民間建設工事標準請負契約約款(甲)」に類似の規定がされている
エ 民法に規定されていない
Bの責めに帰すことができない工事の遅延または中止があるときは、Bは、この契約を解除することができる。
・中央建設業審議会の「民間建設工事標準請負契約約款(甲)」に類似の規定がされている
■ 中央建設業審議会 民間建設工事標準請負契約約款(甲)
AI による概要
中央建設業審議会(中建審)は、国土交通省に設置された、建設業法等に基づく重要事項を調査・審議する諮問機関です。建設業の健全な発展のため、経営事項審査、標準請負契約約款、建設工事の工期や労務費の基準作成・改定に関する勧告を行うなど、業界のルール作りにおける核心的な機関です。
■ 民法
(買主の追完請求権)
第五百六十二条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
2 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない
(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)
第五百六十四条 前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。
(報酬の支払時期)
第六百三十三条 報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。