木. 6月 4th, 2026

株式取得に関する次の記述のうち、会社法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

1      
株式会社は、合併および会社分割などの一般承継による株式の取得について、定款において、当該会社の承認を要する旨の定めをすることができる。

2      
譲渡制限株式の譲渡を承認するか否かの決定は、定款に別段の定めがない限り、取締役会設置会社では取締役会の決議を要し、それ以外の会社では株主総会の決議を要する。

3      
承認を受けないでなされた譲渡制限株式の譲渡は、当該株式会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡の当事者間では有効である。

4      
株式会社が子会社以外の特定の株主から自己株式を有償で取得する場合には、取得する株式の数および特定の株主から自己株式を取得することなどについて、株主総会の特別決議を要する。

5      
合併後消滅する会社から親会社株式を子会社が承継する場合、子会社は、親会社株式を取得することができるが、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。

解答         

正解
解説
1 ×
株式会社は、合併および会社分割などの一般承継による株式の取得について、定款において、当該会社の承認を要する旨の定めをすることができる

・合併および会社分割などの一般承継による株式の取得について、会社の承認は必要とせず、定款で承認を要する旨を定めることはできない

2 〇
譲渡制限株式の譲渡を承認するか否かの決定は、定款に別段の定めがない限り、取締役会設置会社では取締役会の決議を要し、それ以外の会社では株主総会の決議を要する。

・会社法 第百三十九条

3 〇
承認を受けないでなされた譲渡制限株式の譲渡は、当該株式会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡の当事者間では有効である。

株式の譲渡制限と取締役会の承認のない株式譲渡の譲渡当事者間における効力 (最判昭和48年6月15日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和48年6月15日)

4 〇
株式会社が子会社以外の特定の株主から自己株式を有償で取得する場合には、取得する株式の数および特定の株主から自己株式を取得することなどについて、株主総会の特別決議を要する。

・会社法 第百五十六条、第三百九条 2項 二号

5 〇
合併後消滅する会社から親株式を子会社が承継する場合、子会社は、親会社株式を取得することができるが、相当の期間にその有する親会社株式を処分しなければならない。

・会社法 第百三十五条 2項 二号、三号


■ 判例

株式の譲渡制限と取締役会の承認のない株式譲渡の譲渡当事者間における効力 (最判昭和48年6月15日)

「一、商法二〇四条一項但書による株式の譲渡制限と取締役会の承認のない株式譲渡の譲渡当事者間における効力
二、株式の譲渡担保と商法二〇四条一項」

「一、定款をもつて株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨定められている場合に、その承認をえないで株式が譲渡されても、右株式の譲渡は、譲渡当事者間においては有効であると解すべきである。
二、株式を譲渡担保に供することは、商法二〇四条一項にいう株式の譲渡にあたると解すべきである」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和48年6月15日)


■ 会社法

(親会社株式の取得の禁止)
第百三十五条 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
 一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合
 二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合
 三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
 四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
 五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合
3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。

(譲渡等の承認の決定等)
第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。

(株式の取得に関する事項の決定)
第百五十六条 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。ただし、第三号の期間は、一年を超えることができない。
 一 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
 二 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額
 三 株式を取得することができる期間
2 前項の規定は、前条第一号及び第二号並びに第四号から第十三号までに掲げる場合には、適用しない。

投稿者 Ren Yababa

邪抜刃 廉(やばば れん)a.k.a.フクイレン