次の文章は、ある最高裁判所判決の意見の一節である。空欄〔 ア 〕~〔 ウ 〕に入る語句の組合せとして、正しいものはどれか。
一般に、立法府が違憲な〔 ア 〕状態を続けているとき、その解消は第一次的に立法府の手に委ねられるべきであって、とりわけ本件におけるように、問題が、その性質上本来立法府の広範な裁量に委ねられるべき国籍取得の要件と手続に関するものであり、かつ、問題となる違憲が、〔 イ 〕原則違反であるような場合には、司法権がその〔 ア 〕に介入し得る余地は極めて限られているということ自体は否定できない。しかし、立法府が既に一定の立法政策に立った判断を下しており、また、その判断が示している基本的な方向に沿って考えるならば、未だ具体的な立法がされていない部分においても合理的な選択の余地は極めて限られていると考えられる場合において、著しく不合理な差別を受けている者を個別的な訴訟の範囲内で救済するために、立法府が既に示している基本的判断に抵触しない範囲で、司法権が現行法の合理的〔 ウ 〕解釈により違憲状態の解消を目指すことは、全く許されないことではないと考える。(最大判平成20年6月4日民集62巻6号1367頁以下における藤田宙靖意見)
ア イ ウ
1 不作為 比例 限定
2 作為 比例 限定
3 不作為 相互主義 有権
4 作為 法の下の平等 拡張
5 不作為 法の下の平等 拡張
正解
5解説
〔 ア 〕不作為〔 イ 〕法の下の平等
〔 ウ 〕拡張
一般に、立法府が違憲な〔 不作為 〕状態を続けているとき、その解消は第一次的に立法府の手に委ねられるべきであって、とりわけ本件におけるように、問題が、その性質上本来立法府の広範な裁量に委ねられるべき国籍取得の要件と手続に関するものであり、かつ、問題となる違憲が、〔 法の下の平等 〕原則違反であるような場合には、司法権がその〔 不作為 〕に介入し得る余地は極めて限られているということ自体は否定できない。しかし、立法府が既に一定の立法政策に立った判断を下しており、また、その判断が示している基本的な方向に沿って考えるならば、未だ具体的な立法がされていない部分においても合理的な選択の余地は極めて限られていると考えられる場合において、著しく不合理な差別を受けている者を個別的な訴訟の範囲内で救済するために、立法府が既に示している基本的判断に抵触しない範囲で、司法権が現行法の合理的〔 拡張 〕解釈により違憲状態の解消を目指すことは、全く許されないことではないと考える。
・拡張解釈
AI による概要
拡張解釈(かくちょうかいしゃく)とは、法律や条文の用語を、一般的な意味や本来の字義よりも広く捉えて適用する法解釈の手法。法の目的に沿うように、言葉の意味を「許容される範囲内」で少し広げる、縮小解釈と対になる概念。
・合理的拡張解釈
AI による概要
合理的拡張解釈とは、法条文の文言を通常意味よりも広げ、立法趣旨に基づいて合理的・相当な範囲で適用する解釈手法。主に司法が、不合理な差別や法的な欠缺を是正し、現行法の精神に沿って権利救済を図る際に用いられる。文言の射程内(同質のもの)にとどまるのが特徴。
・ 国籍法違憲訴訟(最大判平成20年6月4日)