内閣の「責任」について書かれた次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1
日本国憲法における内閣は、衆議院に対してのみ「責任」を負うのであり、参議院に対しては「責任」を負っていない。
2
日本国憲法は内閣の「連帯責任」を強調しており、特定の国務大臣に対して単独の「責任」を負わせることは認めていない。
3
明治憲法では、君主に対する内閣の「連帯責任」のみが規定されており、衆議院に対する「責任」は想定されていなかった。
4
内閣の「責任」のとり方は任意かつ多様であるべきなので、日本国憲法の下で総辞職が必要的に要求されることはない。
5
大臣に対する弾劾制度を認めない日本国憲法においては、内閣に対して問われる「責任」は、政治責任であって狭義の法的責任ではない。
解答
正解
5解説
1 ×
日本国憲法における内閣は、
・日本国憲法 第六十六条3項
2 ×
日本国憲法は内閣の「連帯責任」を強調しており、特定の国務大臣に対して単独の「責任」を負わせることは
3 ×
明治憲法では、君主に対する内閣の
・大日本帝国憲法 第五十五条
4 ×
内閣の「責任」のとり方は任意かつ多様であるべきなので、日本国憲法の下で総辞職が必要的に
・日本国憲法 第六十九条、第七十条
5 〇
大臣に対する弾劾制度を認めない日本国憲法においては、内閣に対して問われる「責任」は、政治責任であって狭義の法的責任ではない。
■ メモ
・内閣は、国会(衆議院と参議院)に対して責任を負う
・明治憲法(大日本帝国憲法)では、君主(天皇)に対して内閣(各国務大臣)が責任をとる(単独責任)
・内閣の不信任決議が可決された場合、解散か総辞職
■ 大日本帝国憲法
第五十五条
国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス
凡テ法律勅令其ノ他国務ニ関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署ヲ要ス
国務大臣が天皇の国事行為を助言(輔弼)し、その結果に対する政治的・法律的な全責任を負う
天皇が発するすべての法律、命令(勅令)、国政に関する文書は、国務大臣の署名(副署)がなければ有効にならない
■ 日本国憲法
第六十六条 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
第七十条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。