木. 7月 30th, 2026

次のア~エの記述のうち、租税法律主義を定める憲法84条についての最高裁判所の判例の考え方を示すものとして、正しいものの組合せはどれか。

ア      
国または地方公共団体が、特別の給付に対する反対給付として徴収する金銭は、その形式を問わず、憲法84条に規定する租税に当たる。

イ      
市町村が行う国民健康保険の保険料は、被保険者において保険給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるから、憲法84条は直接適用される。

ウ      
国民健康保険税は、目的税であって、反対給付として徴収されるものではあるが形式が税である以上は、憲法84条の規定が適用される。

エ      
市町村が行う国民健康保険の保険料は、租税以外の公課ではあるが、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するので、憲法84条の趣旨が及ぶ。

1 ア・イ   
2 ア・ウ   
3 イ・ウ   
4 イ・エ   
5 ウ・エ   

解答         

正解
解説
ア ×
国または地方公共団体が、特別の給付に対する反対給付として徴収する金銭は、その形式を問わず、憲法84条に規定する租税に当たる

国民健康保険料賦課処分取消等請求事件(最判平成18年3月1日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成18年3月1日)

イ ×
市町村が行う国民健康保険の保険料は、被保険者において保険給付を受け得ることに対する反対給付として徴収されるから、憲法84条は直接適用される

国民健康保険料賦課処分取消等請求事件(最判平成18年3月1日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成18年3月1日)

ウ 〇
国民健康保険税は、目的税であって、反対給付として徴収されるものではあるが形式が税である以上は、憲法84条の規定が適用される。

国民健康保険料賦課処分取消等請求事件(最判平成18年3月1日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成18年3月1日)

エ 〇
市町村が行う国民健康保険の保険料は、租税以外の公課ではあるが、賦課徴収の強制の度合いにおいては租税に類似する性質を有するので、憲法84条の趣旨が及ぶ。

・あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする(日本国憲法 第八十四条)
国民健康保険料賦課処分取消等請求事件(最判平成18年3月1日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成18年3月1日)


■ 判例

国民健康保険料賦課処分取消等請求事件(最判平成18年3月1日)

「1 市町村が行う国民健康保険の保険料と憲法84条
2 国民健康保険の保険料率の算定基準を定めた上でその決定及び告示を市長に委任している旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)8条(平成6年旭川市条例第29号による改正前のもの及び平成10年旭川市条例第41号による改正前のもの),12条3項と国民健康保険法81条及び憲法84条
3 旭川市長が平成6年度から同8年度までの各年度の国民健康保険の保険料率を各年度の賦課期日後に告示したことと憲法84条
4 恒常的に生活が困窮している状態にある者を国民健康保険の保険料の減免の対象としていない旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)19条1項と国民健康保険法77条及び憲法25条,14条」

「1 市町村が行う国民健康保険の保険料については,これに憲法84条の規定が直接に適用されることはないが,同条の趣旨が及ぶと解すべきであるところ,国民健康保険法81条の委任に基づき条例において賦課要件がどの程度明確に定められるべきかは,賦課徴収の強制の度合いのほか,社会保険としての国民健康保険の目的,特質等をも総合考慮して判断する必要がある。
2 旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)が,8条(平成6年旭川市条例第29号による改正前のもの及び平成10年旭川市条例第41号による改正前のもの)において,国民健康保険の保険料率の算定の基礎となる賦課総額の算定基準を定めた上で,12条3項において,旭川市長に対し,保険料率を同基準に基づいて決定して告示の方式により公示することを委任したことは,国民健康保険法81条に違反せず,憲法84条の趣旨に反しない。
3 旭川市長が旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)12条3項の規定に基づき平成6年度から同8年度までの各年度の国民健康保険の保険料率を各年度の賦課期日後に告示したことは,憲法84条の趣旨に反しない。
4 旭川市国民健康保険条例(昭和34年旭川市条例第5号)19条1項が,当該年において生じた事情の変更に伴い一時的に保険料負担能力の全部又は一部を喪失した者に対して国民健康保険の保険料を減免するにとどめ,恒常的に生活が困窮している状態にある者を保険料の減免の対象としていないことは,国民健康保険法77条の委任の範囲を超えるものではなく,憲法25条,14条に違反しない」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判平成18年3月1日)


■ 日本国憲法

第八十四条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。


投稿者 Ren Yababa

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