土. 6月 6th, 2026

利益相反行為に関する以下の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア      
親権者が、共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、その結果、数人の子の間の利害の対立が現実化しない限り、利益相反行為にはあたらない。

イ      
親権者である母が、その子の継父が銀行から借り入れを行うにあたり、子の所有の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。

ウ      
親権者が、自己の財産を、子に対して有償で譲渡する行為は当該財産の価額の大小にかかわらず利益相反行為にあたるから、その子の成年に達した後の追認の有無にかかわらず無効である。

エ      
親権者が、自ら債務者となって銀行から借り入れを行うにあたって、子の所有名義である土地に抵当権を設定する行為は、当該行為がどのような目的で行なわれたかに関わりなく利益相反行為にあたる。

オ      
親権者が、他人の金銭債務について、連帯保証人になるとともに、子を代理して、子を連帯保証人とする契約を締結し、また、親権者と子の共有名義の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。

1 ア・イ   
2 ア・エ   
3 イ・ウ   
4 ウ・エ   
5 エ・オ   

解答         

正解
解説
ア ×
親権者が、共同相続人である数人の子を代理して遺産分割協議をすることは、その結果、数人の子の間の利害の対立が現実化しない限り、利益相反行為にはあたらない

民法826条2項所定の利益相反行為の意義(最判昭和49年7月22日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和49年7月22日)

イ ×
親権者である母が、その子の継父が銀行から借り入れを行うにあたり、子の所有の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる

抵当権設定 利益相反 (最判昭和35年7月15日)
  (裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和35年7月15日)

ウ ×
親権者が、自己の財産を、子に対して有償で譲渡する行為は当該財産の価額の大小にかかわらず利益相反行為にあたるから、その子の成年に達した後の追認の有無にかかわらず無効である。

親権者と子の利益相反行為につき親権者が法定代理人としてなした行為の効力(最判昭和46年4月20日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和46年4月20日)

エ 〇
親権者が、自ら債務者となって銀行から借り入れを行うにあたって、子の所有名義である土地に抵当権を設定する行為は、当該行為がどのような目的で行われたかに関わりなく利益相反行為にあたる。

民法第826条の利益相反行為と行為の動機(最判昭和37年10月2日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和37年10月2日)

オ 〇
親権者が、他人の金銭債務について、連帯保証人になるとともに、子を代理して、子を連帯保証人とする契約を締結し、また、親権者と子の共有名義の不動産に抵当権を設定する行為は、利益相反行為にあたる。

民法第826条の利益相反行為にあたるとされた事例(最判昭和43年10月8日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和43年10月8日)


民法826条2項所定の利益相反行為の意義(最判昭和49年7月22日)

「民法826条2項所定の利益相反行為とは、行為の客観的性質上数人の子ら相互間に利害の対立を生ずるおそれのあるものを指称し、その行為の結果現実にその子らの間に利害の対立を生ずるか否かは問わない」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和49年7月22日)


抵当権設定 利益相反 (最判昭和35年7月15日)

「右金銭貸借、抵当権設定等は、Dはその夫たるEのためにしたものであつて、D自身の利益のために為されたものでないことは原判決の認定するところである。とすれば、右の行為をもつて、親権者たるDと上告人との間の民法826条にいわゆる「利益が相反する行為」というにあたらないとした原判決は正当であつて、論旨は採用することはできない」
  (裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和35年7月15日)


親権者と子の利益相反行為につき親権者が法定代理人としてなした行為の効力(最判昭和46年4月20日)

「親権者と子の利益相反行為につき親権者が法定代理人としてなした行為は民法132条所定の無権代理行為にあたる」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和46年4月20日)


民法第826条の利益相反行為と行為の動機(最判昭和37年10月2日)

「親権者が自己の負担する貸金債務につき未成年の子の所有する不動産に抵当権を設定する行為は、借受金を右未成年の子の養育費に供する意図であつても、民法第826条にいう「利益が相反する行為」にあたる」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和37年10月2日)


民法第826条の利益相反行為にあたるとされた事例(最判昭和43年10月8日)

「第三者の金銭債務について、親権者がみずから連帯保証をするとともに、子の代理人として、同一債務について連帯保証をし、かつ、親権者と子が共有する不動産について抵当権を設定するなどの判示事実関係のもとでは、子のためにされた連帯保証債務負担行為および抵当権設定行為は、民法第826条にいう利益相反行為にあたる」

「債権者が抵当権の実行を選択するときは、本件不動産における子らの持分の競売代金が弁済に充当される限度において親権者の責任が軽減され、その意味で親権者が子らの不利益において利益を受け」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和43年10月8日)

投稿者 Ren Yababa

邪抜刃 廉(やばば れん)a.k.a.フクイレン