木. 6月 4th, 2026

公物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1      
自然公物については、自然のままにおいて公共の用に供されていると解されるので、公用開始という観念は成り立ちえない。

2      
公物の公用開始行為は、特定の私人を名あて人とするものではないが、行政法学でいう行政行為の一種である。

3      
公物の公用廃止については、明示的な廃止処分によることなく、黙示で廃止されたものとみなされることもある。

4      
私人所有の財産が公物として公用開始の対象に含まれていた場合、公用開始の効力は当該財産に関する部分について当然に無効となる。

5      
公用開始後の公物の供用行為が利用者との関係で適正であっても、第三者に対して損害を及ぼせば、当該公物の管理者は損害賠償責任を負う。

解答         

正解
解説
1 〇
自然公物については、自然のままにおいて公共の用に供されていると解されるので、公用開始という観念は成り立ちえない。

2 〇
公物の公用開始行為は、特定の私人を名あて人とするものではないが、行政法学でいう行政行為の一種である。

3 〇
公物の公用廃止については、明示的な廃止処分によることなく、黙示で廃止されたものとみなされることもある。

公共用財産について取得時効が成立する場合 (最判昭和51年12月24日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和51年12月24日)

4 ×
私人所有の財産が公物として公用開始の対象に含まれていた場合、公用開始の効力は当該財産に関する部分について当然に無効となる

・私有公物(所有権は私人にあるが、公の目的に使用される公物)の例がある

5 〇
公用開始後の公物の供用行為が利用者との関係で適正であっても、第三者に対して損害を及ぼせば、当該公物の管理者は損害賠償責任を負う。

営造物の利用の態様及び程度が一定の限度を超えるために利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある場合と国家賠償法二条一項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵 (最判昭和56年12月16日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和56年12月16日)


■ 判例

公共用財産について取得時効が成立する場合 (最判昭和51年12月24日)

「公共用財産が、長年の間事実上公の目的に供用されることなく放置され、公共用財産としての形態、機能を全く喪失し、その物のうえに他人の平穏かつ公然の占有が継続したが、そのため実際上公の目的が害されることもなく、もはやその物を公共用財産として維持すべき理由がなくなつた場合には、右公共用財産について、黙示的に公用が廃止されたものとして、取得時効の成立を妨げない」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和51年12月24日)


営造物の利用の態様及び程度が一定の限度を超えるために利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある場合と国家賠償法二条一項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵 (最判昭和56年12月16日)

「一 民事上の請求として一定の時間帯につき航空機の離着陸のためにする国営空港の供用の差止めを求める訴えの適否
二 営造物の利用の態様及び程度が一定の限度を超えるために利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある場合と国家賠償法二条一項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵
三 国営空港に離着陸する航空機の騒音が一定の程度に達しており空港周辺地域の住民の一部により右騒音を原因とする空港供用の差止請求等の訴訟が提起されているなどの状況のもとに右地域に転入した者が右騒音により被害を受けたとして国に対し慰藉料を請求した場合につき右請求を排斥すべき事由がないとした認定判断に経験則違背等の違法があるとされた事例
四 将来にわたつて継続する不法行為に基づく損害賠償請求権が将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格性を有するとされるための要件」

「一 民事上の請求として一定の時間帯につき航空機の離着陸のためにする国営空港の供用の差止めを求める訴えは、不適法である。
二 営造物の利用の態様及び程度が一定の限度にとどまる限りはその施設に危害を生ぜしめる危険性がなくても、これを超える利用によつて利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある状況にある場合には、そのような利用に供される限りにおいて右営造物につき国家賠償法二条一項にいう設置又は管理の瑕疵があるものというべきである。
三 当該空港に離着陸する航空機の騒音がその頻度及び大きさにおいて一定の程度に達しており、また、空港周辺住民の一部により右騒音を原因とする空港供用差止請求等の訴訟が提起され、主要日刊新聞紙上に当該空港周辺における騒音問題が頻々として報道されていたなど、判示のような状況のもとに空港周辺地域に転入した者が空港の設置・管理者たる国に対し右騒音による被害について慰藉料の支払を求めたのに対し、特段の事情の存在を確定することなく、転入当時右の者は航空機騒音が問題になつている事情ないしは航空機騒音の存在の事実をよく知らなかつたものとし、右請求を排斥すべき理由はないとした原審の認定判断には、経験則違背等の違法がある。
四 現在不法行為が行われており、同一態様の行為が将来も継続することが予想されても、損害賠償請求権の成否及びその額をあらかじめ一義的に明確に認定することができず、具体的に請求権が成立したとされる時点においてはじめてこれを認定することができ、かつ、右権利の成立要件の具備については債権者がこれを立証すべきものと考えられる場合には、かかる将来の損害賠償請求権は、将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格性を有しない。」

(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和56年12月16日)

投稿者 Ren Yababa

邪抜刃 廉(やばば れん)a.k.a.フクイレン