取消訴訟の原告適格に関する次の文章の空欄〔 ア 〕~〔 エ 〕に当てはまる語句を、枠内の選択肢(1~20)から選びなさい。
平成16年(2004年)の行政事件訴訟法(以下、「行訴法」という。)改正のポイントとして、取消訴訟の原告適格の拡大がある。
取消訴訟の原告適格につき、行訴法9条(改正後の9条1項)は、「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき〔 ア 〕を有する者・・・に限り、提起することができる。」と定めているが、最高裁判例は、ここでいう「当該処分の取消し求めるにつき『〔 ア 〕を有する者』とは、当該処分により自己の権利若しくは〔 イ 〕を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」と解してきた。しかしながら、裁判実務上の原告適格の判断が狭いとの批判があり、平成16年改正により新たに行訴法9条に第2項が加えられ、「裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する〔 ア 〕の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき〔 ウ 〕の内容及び性質を考慮するものとする」ことが規定された。そしてこの9条2項は、〔 エ 〕の原告適格についても準用されている。
1 差止め訴訟 2 法律上の利益 3 権限 4 憲法上保護された利益 5 事実上の利益 6 住民訴訟 7 実質的当事者訴訟 8 損害 9 利益 10 法律上保護された利益 11 訴訟上保護された利益 12 立法目的 13 訴訟上の利益 14 公益 15 うべかりし利益 16 不作為の違法確認訴訟 17 法的地位 18 公共の福祉 19 紛争 20 形式的当事者訴訟
〔 ア 〕
〔 ウ 〕
〔 エ 〕
正解
ア 2 イ 10 ウ 9 エ 1解説
〔 ア 〕2 法律上の利益〔 イ 〕10 法律上保護された利益
〔 ウ 〕9 利益
〔 エ 〕1 差止め訴訟
平成16年(2004年)の行政事件訴訟法(以下、「行訴法」という。)改正のポイントとして、取消訴訟の原告適格の拡大がある。
取消訴訟の原告適格につき、行訴法9条(改正後の9条1項)は、「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき〔 ア 〕を有する者・・・に限り、提起することができる。」と定めているが、最高裁判例は、ここでいう「当該処分の取消し求めるにつき『〔 ア 〕を有する者』とは、当該処分により自己の権利若しくは〔 イ 〕を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう」と解してきた。しかしながら、裁判実務上の原告適格の判断が狭いとの批判があり、平成16年改正により新たに行訴法9条に第2項が加えられ、「裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する〔 ア 〕の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき〔 ウ 〕の内容及び性質を考慮するものとする」ことが規定された。そしてこの9条2項は、〔 エ 〕の原告適格についても準用されている。
■ 判例
・ 主婦連ジュース事件(最判昭和53年3月14日)
「一 不当景品及び不当表示防止法一〇条六にいう「第一項の規定による公正取引委員会の処分について不服があるもの」の意義
二 不当景品類及び不当表示防止法の規定にいう一般消費者と公正取引委員会による公正競争規約の認定に対する同法一〇条六項に基づく不服申立の利益」
「一 不当景品類及び不当表示防止法一〇条六項にいう「第一項の規定による公正取引委員会の処分について不服があるもの」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう。
二 不当景品類及び不当表示防止法の規定にいう一般消費者であるというだけでは、公正取引委員会による公正競争規約の認定に対し同法一〇条六項の規定に基づく不服申立をする法律上の利益を有するとはいえない」
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和53年3月14日)
■ 行政事件訴訟法
(原告適格)
第九条 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。
2 裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。
(差止めの訴えの要件)
第三十七条の四 差止めの訴えは、一定の処分又は裁決がされることにより重大な損害を生ずるおそれがある場合に限り、提起することができる。ただし、その損害を避けるため他に適当な方法があるときは、この限りでない。
2 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分又は裁決の内容及び性質をも勘案するものとする。
3 差止めの訴えは、行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。
4 前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第九条第二項の規定を準用する。
5 差止めの訴えが第一項及び第三項に規定する要件に該当する場合において、その差止めの訴えに係る処分又は裁決につき、行政庁がその処分若しくは裁決をすべきでないことがその処分若しくは裁決の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分若しくは裁決をすることがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずる判決をする。