実質的当事者訴訟に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1
実質的当事者訴訟は、行政主体と一般市民との間における対等当事者としての法律関係に関する訴訟のうち、公法上の法律関係に関する訴訟であり、私法上の法律関係に関する訴訟は民事訴訟となる。
2
個別法の中に損失補償に関する規定がない場合であっても、憲法に直接基づいて損失補償を請求することが可能だと解されているが、この損失補償請求の訴訟は実質的当事者訴訟に該当する。
3
国に対して日本国籍を有することの確認を求める訴えを提起する場合、この確認の訴えは実質的当事者訴訟に該当する。
4
実質的当事者訴訟における原告勝訴の判決は、その事件について、被告だけでなく、関係行政機関をも拘束する。
5
実質的当事者訴訟の対象となる行政活動については、他の法律に特別の定めがある場合を除いて、民事保全法に規定する仮処分をすることができない。
解答
正解
5解説
1 〇
実質的当事者訴訟は、行政主体と一般市民との間における対等当事者としての法律関係に関する訴訟のうち、公法上の法律関係に関する訴訟であり、私法上の法律関係に関する訴訟は民事訴訟となる。
・行政事件訴訟法 第四条
2 〇
個別法の中に損失補償に関する規定がない場合であっても、憲法に直接基づいて損失補償を請求することが可能だと解されているが、この損失補償請求の訴訟は実質的当事者訴訟に該当する。
・ 憲法第二九条第三項の意義 (最判昭和43年11月27日)
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和43年11月27日)
3 〇
国に対して日本国籍を有することの確認を求める訴えを提起する場合、この確認の訴えは実質的当事者訴訟に該当する。
4 〇
実質的当事者訴訟における原告勝訴の判決は、その事件について、被告だけでなく、関係行政庁をも拘束する。
・行政事件訴訟法 第三十三条、第四十一条
5 ×
実質的当事者訴訟の対象となる行政活動については、
・行政事件訴訟法 第四十四条
■ 判例
・ 憲法第二九条第三項の意義 (最判昭和43年11月27日)
「財産上の犠牲が単に一般的に当然に受認すべきものとされる制限の範囲をこえ、特別の犠牲を課したものである場合には、これについて損失補償に関する規定がなくても、直接憲法第二九条第三項を根拠にして、補償請求をする余地がないではない」
(裁判所 裁判例結果詳細 最判昭和43年11月27日)
■ 行政事件訴訟法
(訴願前置に関する経過措置)
第四条 法令の規定により訴願をすることができる処分又は裁決であつて、訴願を提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものの取消訴訟の提起については、この法律の施行後も、なお旧法第二条の例による。
(抗告訴訟に関する規定の準用)
第四十一条 第二十三条、第二十四条、第三十三条第一項及び第三十五条の規定は当事者訴訟について、第二十三条の二の規定は当事者訴訟における処分又は裁決の理由を明らかにする資料の提出について準用する。
2 第十三条の規定は、当事者訴訟とその目的たる請求と関連請求の関係にある請求に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合における移送に、第十六条から第十九条までの規定は、これらの訴えの併合について準用する。
(仮処分の排除)
第四十四条 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができない。